アスペルガー社会人のBlog

『大人の発達障害』 備瀬 哲弘

本書は、"社会人になって発達障害が顕在化した事例"を検証しながら
発達障害の特徴を述べている。

発達障害の専門書という観点からみると、
本書より詳しい書物が沢山見つかるだろうと感じた。
ただ、10ケースある事例が軽い調子でリアルに書かれており、
”読み物”として面白かった。

事例の一節を、More以下に記述してみる。
本書の調子を感じ取って頂ければ幸いである。

大人の発達障害―アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本
備瀬 哲弘

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マキノ出版 2009-03-14
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 「野村さんがいうには、僕は人とのコミュニケーションが上手く出来ないというんです。自分ではそんなことないと思うんですね」
 光則さんは職場での人間関係の悩みについて相談に来られました。
 人間関係に就いて悩み、それにまつわる悩みやメンタルヘルスの問題で受診したり相談に見える方は少なくありません。ただし、光則さんは他の方々とは、ちょっと違う調子で相談が始まりました。というのは、入室するなり、ドスンと椅子に腰掛けて、いきなり話を始めたからです。
 立ち上がって頭を途中まで下げていた私は間が抜けたようになり、
 「はあ・・・・・・。えーと、そうですか」
 とだけ言葉を返しながら、慌てて椅子に腰を下ろします。
 光則さんは、戸惑っている私にはおかまいなく話を続けます。
 「私には、野村さんにこそコミュニケーションの問題があるように思えるのです。この点はどうお考えでしょうか?」
 光則さんの中では、話はどんどん進んでいっているようです。
 「えーと、ちょっと最初から確認させてくださいね」
 思わず両手を伸ばして光則さんを制するジェスチャーをしながら、話のペースを戻そうとしました。すると、光則さんの視線は私の手に注がれます。
 ジーッと手の動きを追っている彼の視線にもなんとなく違和感を覚えましたが、とにかく話のペースを戻したい私は、光則さんの視線には構わず言葉を続けました。
 「まず・・・・・・、初めてお目にかかるものですから、最初から確認させてください」
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by abcde354 | 2009-06-30 00:05 | 読書 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 狸穴猫 at 2009-06-30 05:00 x
奇遇ですねえ、先週入手してよみ終わったところです。
なかなかおもしろい視点の本だと思いました。
実例が本当にリアルですね。
Commented by abcde354 at 2009-07-06 00:10
狸穴猫さん、コメント有難うございます。
いやぁ、奇遇ですね。狸穴猫さんと同時期に読んでいたとは驚きです。
本当に、実例がここまでリアルに書かれた書物は少ないと思います。
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成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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