アスペルガー社会人のBlog

アスペルガーという自覚は他者からもたらされる

アスペルガー傾向の本人が無自覚だというコメントを頂いて、
自分が「定型と決定的に違う」ことを自覚した時の事を思い出した。


自分の出来ないレベルが通常の「苦手」レベルではないと気づいたのは、
かつての上司、「困った」と愚痴っていた上司に出会ってからだった。

それまで、自分は確かに電話に上手く出られていない自覚があったが
通常の苦手の範囲内だと思っていた。
それまで、自分は確かにファイリングが綺麗に出来ない自覚があったが
通常の不器用の範囲内だと思っていた。
自分には他にも沢山の「出来ない」事があったが
この程度の「苦手」を持つ人はいるだろうと思っていた。

しかし、「困った」と愚痴っていた上司に出会って、
苦手レベルが通常の範囲を遥かに超えているらしいと知った。
直接言わず第三者に愚痴る当時の上司のやり方は今でも許せないが、
大々的に愚痴ってくださったお陰で
自分は苦手レベルが通常の範囲内ではないという自覚を持てた。


自分の場合に照らし合わせてみると、
アスペルガー傾向を持つ本人が違和感を持っていたとしても、
他者からの「定型と決定的に違っている」という刺激がなければ、
アスペルガーとまで自覚するのは難しいのではないか、と思う。
何故ならアスペルガーは可視化できる障害と違い「程度差」の問題だからだ。
周囲から見てとんでもなく出来ないレベルにあったとしても、
本人から見れば「これまでもそうだった、この程度は普通の事」の場合が多いためだ。

なので、アスペルガーの周辺にいる方々は
是非本人に「定型と決定的に違っている」ことを示してほしい。
そして出来ればアスペルガー疑いを言って頂けると有難い。
自分は服薬治療を受けアスペルガーの特性を勉強していく中で、
かつての上司から「とうふは人間変わった」とまで言われるようになった。
本人がアスペルガーの自覚を持てばかなりの変化はみられると思う。


ちなみに、電話対応、今も得意とはいえないが、
緊急の用の場合は自分から電話できるようにもなった。
ファイリング、こちらも得意とはいえないが、
チーム内共有するファイルのファイリング程度であれば
問題なく出来るようになった。
アスペルガーという自覚を本人が持って社会性の向上に努めていけば、
アスペルガーでも最低限のレベルは出来るようになるだろう。
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by abcde354 | 2010-05-11 04:26 | ひとり言 | Trackback | Comments(25)
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Commented by waisu70 at 2010-05-11 06:33 x
私も同じです。電話は苦手ですけど。abcde354 さんは自分から電話できるようにしたのですね。頑張れる気がしてきました。
Commented by マルマル at 2010-05-11 07:09 x
いつも感服するのですけれど、とうふさんの受容の高さは本当に素晴らしいです。定型者がasの人に苦手意識を持つきっかけの多くは、こちらの意見やアドバイスへの強烈な撥ね付け、もしくは何度繰り返して伝えても無関心ならスルー・・という点だと思います。
とうふさんの最大の魅力は、周囲へのアンテナを持っていることで、キャッチしようという姿勢があり、投げかければ立ち止まって考えてくれる所です。
人は、受け止めてくれる人に集まり、受け止めてくれる人を信頼します。
そういう意味で、とうふさんは社会性の核を強く持っている方だと思います。そして、こういうasの人が定型感覚との橋になって下さるのだと、安堵感があります。かつての上司の言動を「おかげで」と言えるとうふさんを尊敬します。
Commented by junseok at 2010-05-11 07:46 x
こんにちは。
そうですね。自分と他人の基準は違いますし、
また言ってくる人間の立場により重みが違うと想います。

例えばファイリング。
僕が小6の時に毎週先生の出すクラス通信をファイリングしないといけませんでした。しかし僕はそういうのが苦手で、気がついたら入っていたり、入っていなかったり。卒業前に先生がそれを知りクラスで「君にはとことん失望させられる」と捨て台詞に似た言葉をもらった事があります。

やはり自分がうまく出来ないと想いました。

今も作業所で似たようなミスを連発していましたが、30歳になって人生で初めて他人と共有できるほどファイリングが出来ました。
スタッフからファイリング能力の欠落を告げられ、一緒にやり方を学びました。それでようやく形だけ出来るようになりました。一緒にやってくれる人がいて僕は非常に助かりました。
Commented by レイモンド at 2010-05-11 08:29 x
10年ほど前ですが、娘が神経系の病気をもっていることが分かり神経関係の本をたくさん読んだ時にアスペルガーの名前を知りました。その時はほとんどスルーしてました。
だいぶたって自分が精神的に参ってしまった時かかった心療内科で、子供向けのアスペルガーの本があり読んでみて自分の子ども時代とそっくりで
”急に体に触られることを嫌う”という文章を見て自分がそうで長い間の疑問が解けて嬉しいと思いました。その日の受診で「この本は私のことが書いてあります」と医師に話すと「私も実はそう思っていました」と告げられました。
それからアスペルガー関係の本を自分のこととして読んで初めていろいろな気づきがありました。
自覚するというのは本当に大切なことだと思います。
Commented by レイモンド at 2010-05-11 08:53 x
上の文章の一部を訂正させてください。
”娘に脳神経系の障害があることがわかり脳神経の本を読みました”

junseokさんが先生から言われた言葉を私もたくさん教師という職業についている人から言われました。しかし、すべての教師がそうではなくて、他の子以上に受け入れてくれていると感じた教師もいて私にとってその人たちの教えが血となり肉となっています。失望した教師、受け入れた教師の間にどのような違いがあったのだろかと今でも思うことがあります。
Commented by ゆっこ at 2010-05-12 01:05 x
こんにちは。2度目のコメントとなります。
マルマルさんのおっしゃるとおり、とうふさんの受容の高さは本当に素晴らしいと思います!
よく「発達障害傾向のある同僚に困っている」というコメントや文章を読みますが、これは、その人の受容度の低さ=素直でない、ということが影響しているのではないか、と考えるようになりました。
とうふさんは、気づきさえすれば素直に特性を受け入れていらっしゃるので、きっとまわりからは、慕われているのではないか、と思うのです。
人間って、都合のよい生き物なので、自分が「こうしてくれたらいいのに」と思うことを、まったく改善しないと腹が立ちますが、ほんのわずかでも努力が感じられさえすれば、「自分のために変わろうとしてくれている」と思って、その人の評価もあがるんじゃないか、と思います。
今はむしろ、とうふさんが定型の方に合わせすぎてしまって、疲れてしまわないか、とても心配しています。
どうぞ、ご無理をなさらぬよう。
Commented at 2010-05-12 11:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by たもっち at 2010-05-13 09:53 x
私も当初、電話は全くの苦手でした。
20代の時に公務員であった時は「電話は苦手だからだめだ。」との言い訳は通用する筈が無かったので、電話に積極的に出る事で苦手意識を克服して行きました。そのお陰か何とか上手くはなれたものの、後になって上司から「電話には出るな。」や私が電話を取った時に取り抑えられたりしました。その時は非常に腹が立ち「真面目に電話応対をしようとしているのに、私の仕事を邪魔する気か!。何様のつもりでいるのだ!。」と思った事が何度もありました。
その様な悔しい思いを克服したり反省しながら努力して行った結果、電話応対の苦手意識は何とか克服出来ました。しかし、空気がうまく読み取れない事で言葉がどもってしまう等、問題点もまだまだ残っており、今後の課題として真剣に取り組んで行きます。
Commented by べっぺ at 2010-05-13 18:58 x
自分も電話が苦手です。周りに人が居ると特にダメです。伝言とかを頼まれても上手く聞き取れません。ところでアスペルガーの人達は、学校や職場で 「周囲から嫌われてるな」 と感じて、出社が嫌になることってありますか?実際、休んだりすることはありますか?
Commented by ヒゲ達磨 at 2010-05-17 12:09 x
話がずれますが
日本版のM-CHAT(Modified Checklist for Autism in Toddlers)幼児用(Toddlerとは2歳前後の子どもを指します)自閉症スクリーニングテスト、を、1歳半検診などに導入して、この段階で発見されるようにならないかなと思っています。

療育、支援を受けられるとう事と社会に出てから常にアンテナを上げている、他者からの指摘を聞き入れる態度を採ることが容易だろうと思います。

幼き仲間たちには、私らのような苦労はさせたくないな、少なくしたいなと思うのは、年のせいなのでしょう。

日本版のM-CHATは、国立精神・神経医療研究センター、児童・思春期精神保健部のサイトから入手可能です。
http://www.ncnp.go.jp/nimh/jidou/research/research.html
Commented by DENDEN at 2010-05-17 23:35 x
僕も書き込んでもいい?迷惑だったら一言言ってほしいです
Commented by abcde354 at 2010-05-21 23:50
waisu70さん、お互い頑張りましょう。
Commented by abcde354 at 2010-05-21 23:54
マルマルさん、コメント有難うございます。受容というのが大変重要なキーワードなのだと理解できました。コメントから思い出したことを次の記事にまとめましたので、御覧頂ければ幸いです。
Commented by abcde354 at 2010-05-21 23:57
junseokさん、コメント有難うございます。人間により重みが違ってくるというのは自分も感じます。作業所では素晴らしいスタッフの方に出会われたのですね。そういう出会いを大切にしていきたいものだと思います。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:00
レイモンドさん、自覚は本当に重要だと共感いただけて嬉しいです。
自分の場合、受け入れてくれた教師にはことごとくアスペルガー傾向があったような気がします。同じ感覚を持っていたのではなかろうかと感じます。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:02
ゆっこさん、コメント有難うございます。コメントで受容の大切さを知ることが出来ました。
自分と感覚の違う定型のアドバイスを受容しつづけるのは大変疲れますが、慣れてきたような気もします。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:03
鍵さん、承知しました。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:04
たもっちさん、自分も電話には課題が多くあります。お互い少しでも成長できるよう取り組んでまいりましょうね。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:06
べっぺさん、
>アスペルガーの人達は、学校や職場で 「周囲から嫌われてるな」 と感じて、出社が嫌になることってありますか?実際、休んだりすることはありますか?
出社がいやになることよくありますよ。休んでしまうこともあります。主治医からはとにかく休まず出社するよう言われていますが、精神的ダメージがあると休まずに入られません。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:25
ヒゲ達磨さん、早期診断は重要だと自分も感じます。幼き仲間に同じ苦労はさせたくないです。と同時に、教育現場での差別も止めてもらう必要性も感じています。今は支援学級に行ってしまうと進学が難しくなると聞いています。アスペルガーの高い知能を生かせないのは本当に勿体無いことです。
Commented by abcde354 at 2010-05-22 00:44
DENDENさん、記事に対する反応でしたらどなたでも歓迎です。
Commented by ADSL at 2010-05-22 08:32 x
>直接言わず第三者に愚痴る当時の上司のやり方は今でも許せないが、

どうぞその上司を許してあげてください。
「第三者に愚痴るのみで本人に全く言わない」のであればそれは陰険ですが、
「本人に指摘はするが第三者にも愚痴る」
というのは、アスペルガーと付き合う定型発達が、心のバランスをとるために必要なことが多いのです。
「自分はこんなに苦労させられている」ということを他者に共感してもらうことなく、アスペルガーと付き合って行けるほど、人間のできた人ってなかなかいないものです。
黙って切り捨てるほうがはるかに楽なので、愚痴を言いながらも何とかやっていこうとする人は貴重な存在だと思います。
Commented by もんちゃん at 2010-05-27 11:33 x
おそらく、上司もとうふさんの対応に困ったものの、自分が正しいかどうか
自信が無くて、他者に愚痴ってしまった結果、上司自身も考えに整理がついて、
とうふさんに伝えたのかなぁと思いました。
愚痴られるのって、良い気分じゃないですけどね。しかし、その愚痴がまわりまわって
自分に聞こえるのも辛いですね。とはいえ、とうふさんはそれをきちんとゆがみ無く
受け止めて、改善していったというのは、凄いなぁと思います。
Commented by abcde354 at 2010-05-30 18:00
ADSLさん、その上司は「第三者に愚痴るのみで本人に全く言わない」でしたね。もしかしたら言っていたのかもしれませんが、あまりに間接的な言い方で、こちらが気づくような言い方ではないです。なので、今でも許すことが出来ずにいます。
Commented by abcde354 at 2010-06-03 22:07
もんちゃんさん、自分も当時すぐに受け止められたわけではありませんが、時間がかかっても取りあえず受け止められるようになったのは良かったと思っています。
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成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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