人気ブログランキング | 話題のタグを見る

具体的な事象を抽象化することの苦手について

以前こんな記事を書いていた。
・「分類分けすることの苦手」
・「失敗から汎用的な教訓を導くのに時間がかかる」
どちらも前の上司と仕事した時に気づいた
具体的な事象を抽象化・汎用化するのが苦手というエピソードだ。

周りと比較対照していると、自分は一定水準に達するまで大変時間がかかる。
定型がY=X で一定水準に達するとすると
自分はY=1/2×X² といったイメージだ。
(Y=達成度、X=時間)

抽象化についても恐らくいつかは出来るようになるのだろうが、
まだ自分は定型と同レベルにあるとは思っていない。
Commented by 高山 at 2013-07-22 01:48 x
間違っていたら申し訳ないのですが
つまりとうふさんは応用が苦手であるということでしょうか
それから汎用化というのは失敗から学んだことをどんなときでも使えるようにするとかそういうことですか
Commented by at 2013-07-22 16:54 x
 とうふさんが答える前に書き込みするのは、反則だとは思いましたが、ついついコメントしたくなってしまったので、コメントさせていただきます。
 私の知り合いにアスペルガーの成人男性がいるのですが、確かに、「抽象化」や「汎用化」は苦手です。
 高山さんが書かれた「失敗から学んだことを(以下略)」というのとは、微妙に違っていて、1つの失敗を一般化(汎用化)できないということです。

(長くなるので分けます)
Commented by at 2013-07-22 16:55 x
(続き)

 例えば、飲食店でバイトをしていて、皿を洗っているときに割ったとします。
 普通は、次から割らないように、どんな場面でも皿を扱うときには、落とさないように注意すると思います。
 一方、アスペルガーの方は、次から、皿を洗っているときには注意をして割らないようにしますが、客席から厨房に運ぶ時にも、皿を割らないように注意しなければ、とは気付かず、「別の場面」で「別の原因」で皿を割ってしまうのです。
(例えをわかりやすくするために、こんな例を出しました。アスペルガーの方でも、このような失敗なら一般化できる方は大勢いると思います。アスペルガーの方すいません。)
Commented by at 2013-07-22 16:55 x
 アスペルガーの方にとって、ある場面の失敗は、その場面のその状況での失敗であって、場面や状況が異なれば、原因が同じでも、別の失敗と認識されてしまうようです。
 皿を割る例でいえば、洗っているときに割った、だから次からは注意して洗う、となり、落としたことが原因で割った、だから次から落とさないように注意する、とは認識できないのだと思われます。

 この場合、「皿を洗っていて割った」というのが具体的な事象で、「落としたから割れた」というのが、汎用化とか抽象化といえると思います。
 アスペルガーの方は、この汎用化が苦手のようです。

 また、アスペルガーの方は、具体的な事象を汎用化することだけではなく、汎用的な話を具体的に理解すること(逆の過程)も苦手なように見受けられます。

 知り合いの男性は、抽象的な指示をしても、具体的な作業の改善には至らず、1つ1つの個別の事象について、それぞれ具体的な指示をしないと、理解できないようです。(このあたりは個人差があると思います。)

 長文すいませんでした。
Commented by かとうママ at 2013-07-22 19:37 x
こんにちは。

薫さんのコメントの中で、

>「落としたから割れた」というのが、汎用化とか抽象化といえると思います

を、新鮮に感じました。

>知り合いの男性は、抽象的な指示をしても、具体的な作業の改善には至らず、1つ1つの個別の事象について、それぞれ具体的な指示をしないと、理解できないようです。(このあたりは個人差があると思います。)

についてですが、
わたしの子供の先生(学校)に要望をお伝えする時、「具体的にどうしてほしいか、何をすれば どういう問題が起きやすいか」までお伝えしないと、理解していただけない感じもあります。

ですので、普段、ご自分の周りで経験慣れしていない場合、経験慣れしていないことを抽象的な話で言われても理解できない、のは、健常のかたの場合もあると思いました。(わたしは50歳台、子どもは高校生です)。
Commented by ゆったりのんびり at 2013-07-22 23:02 x
私のコメントを数式で表現してみたいと思います。
感覚で知覚した印象を
 印象=x
とし、そのとき頭の中に最初に浮かんできたxの表象を
 xの最初の表象=x1
とします。また、それに関連して浮かんできたいろんな表象と概念を
 表象1=a,表象2=b,表象3=c
 概念1=R,概念2=T
とします。これらの表象や概念は以前に知覚した印象や表象や概念で普段は意識には上ってきませんが、何か関係した印象や表象が頭に浮かんできたときに意図なく浮かんで出てきたものです。
これらから印象xの概念が生まれてきますが、表象概念=Xとすると
 X=x1-a-b+c+R+T
のようなイメージです。’+’’ー’はいろんな場合があるでしょう。’*’とか。
そして、この概念Xが、後に得た印象で浮かんできて、また新たな表象を生み、概念を生んで行きます。これらが経験となって蓄積されています。
私はASの方は、x1が浮かんでこないとか、他の表象や概念が浮かんでこないことがあって印象だけがそのまま体験として蓄積されることが多いのではないかと考え、先のコメントをしました。
Commented by マルマル at 2013-07-22 23:02 x
薫さん、定型向けにとても解りやすいご説明、ありがとうございます。
同時に、かとうママさんのコメントにも同感で、ASのことを定型に説明したり要望すると、定型の得意とする「応用」が効かないんですよね。
これは、あまりにもASと定型の概念が違い過ぎて最初の「なぜそうなるか、そうすべきか」が理解出来ないから、次の同じようなパターンも「かいもく予想がつかない」になるのだと感じます。
また、定型もASもそれぞれの違いがありますから「その人の癖やパターンを読める」までには長い期間の馴染みや理解ありきですね。
Commented by ゆったりのんびり at 2013-07-22 23:16 x
続きです。
先の自動販売機でのことですが、上司さんは自動販売機のところで偶然にとうふさんに会いました。それがきっかけで「何かを話さないと」と思ったのですね。
そう思ったことで「自動販売機」に関係する表象が浮かんで、「過去に新しいのが入っていて嬉しかった」という表象も浮かんだりして、「この自動販売機、変わらないから飽きるよね」という言葉が出てきたんだと思います。
とうふさんは、その上司の言葉をその通りに受け取って、それに浮かんできたASの表象が浮かんできて「変化が好きな前の上司、変化が嫌いな」と概念を生み出したんだと思います。でも、社交辞令という表象が浮かんできていたら、この概念は違ったものになったでしょう。
表象をいっぱい、いっぱい持っておくと、こんな場合は?いやこれもあるな?と、どんどん表象が増えていきます。これがASの方の苦手なところではないでしょうか。本当はASの方でなくても難しいのですが。

また難しいコメントになったかもしれません。私も勉強中(人智学という学問です)なのでお許しください。
Commented by 高山 at 2013-07-23 01:26 x
薫さん、解説ありがとうございます。
私はアスペルガー当事者で、同じ失敗を繰り返すというのは日常的に
よくあることなのですが
ただ単に失敗を繰り返す原因は、その失敗をするときに何か別のことを考えているからだと思っておりました。
たとえば、外出をしたときになにか二つ用事があったとして、
そのうちの片方の用事のことを考えていると、もう片方の用事のことを忘れてしまい、
結局、片方の用事だけを済ませて、もう片方の用事は家に帰るまで忘れたままとかそういう感じです。
つまり、アスペルガーは同時に一つのことしか考えられないとよく言われますが、同じ失敗をよく繰り返すというのはそれが原因なのかと思っていました。
しかし、薫さんの解説によると、他の要因も考えられるのですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
Commented by 高山 at 2013-07-23 01:30 x
ところで、外出の時の話ですが………
私は二つの用事があるときは、その二つという数字に集中します。
つまり、一つのことだけを考えていると、もう一つのことを忘れるので、
初めから二つという数字に集中することによって、二つのことを一つのことにするのです。
これでも時々、忘れてしまうのですが、それでも前よりかは改善したような気がします。
私、個人の話で他の方の参考になるかどうかは分かりませんが。
Commented by マルマル at 2013-07-23 07:04 x
ゆったりのんびりさんへ
上司さんからとうふさんへの話しかけですが「社交辞令」ではなく「世間話」の類ではないかと・・・。
どちらにせよ、何気ない会話から「定型の変化が好きな傾向」と「ASの変化が苦手という本質」を認識されたことはワンステップだと思います。

とうふさんは、職場の日常会話から実にたくさんの発見をされますね。
このことは、定型とASの概念の違いの謎をほどくに良いテーマとなります。
Commented by at 2013-07-23 16:10 x
かとうママ様

>先生(学校)に要望をお伝えする時、
>「具体的にどうしてほしいか、何をすれば どういう問題が起きやすいか」
>までお伝えしないと、理解していただけない感じもあります。

(とうふさんの「定型」という言葉を借ります)
 確かに、定型の方でも、具体例→汎用化、(逆の)汎用例→具体化が、うまくできない方がいますよね。
 これは私の感想ですが、具体例→汎用化(逆も含む)が苦手な定型の方は、経験不足が一番の原因ではないでしょうか?
 定型の方は、最初はうまくいかなくても、経験を重ねるうちに「自然に」できるようになってくるように思います。
 かとうママさんも書かれているとおり、子どもさんの先生は、アスペルガーの子どもと接した経験が少ないために、汎用例→具体化の作業がうまくいかないのかもしれません。
 一方で、アスペルガーの方は、経験を重ねると「自然に」できるか?というと、そうではないような気がします。
 本人の気づきや不断の努力、まわりの理解などが不可欠で、その点が、アスペルガーと定型の違いかと思います。
 もちろん、定型の方でも、経験を重ねると「自然に」できるかどうかは、個人差があると思います。
Commented by at 2013-07-23 16:11 x
マルマル様

>その人の癖やパターンを読める」までには長い期間の馴染みや理解ありきですね。

 定型の方でも、経験のないことを早く習得するためには、気づきと不断の努力が必要ということでしょうか?
 定型でも、慣れないことに関しては、「自然に」任せていると、長期間かかるということかもしれません。
 アスペルガーの方にとって、人間関係や外部の環境全てが「慣れないこと」なのかもしれません。
Commented by at 2013-07-23 16:13 x
高山様

>アスペルガーは同時に一つのことしか考えられないとよく言われますが、
>同じ失敗をよく繰り返すというのはそれが原因なのかと思っていました。

 私の感想ですが、高山さんが書かれた「同時に1つのことしか考えられないから同じ失敗を繰り返す」というのも当たっていると思います。

 知り合いのアスペルガー成人男性は、よく会社に遅刻をしてきます。
 9時始業で、彼の通勤は自家用車で40分程度。以前、彼に、朝起きてから家を出るまでの行動を聞いたことがありました。
 驚いたことに、毎朝5時半には起きていて、遅刻したときは寝坊したわけではなく、家を出るのが遅れたことが原因とわかりました。

(長いので分けます)
Commented by at 2013-07-23 16:14 x
(続き)
 驚いたことに、毎朝5時半には起きていて、遅刻したときは寝坊したわけではなく、家を出るのが遅れたことが原因とわかりました。
 彼によると、「朝、家族から家の用事を頼まれると、そのことに夢中になって出勤時間を忘れる」、「気になることがあると、そのことで頭がいっぱいになって、行動(家を出ること)が起こせない」、「出勤時間の間際にちょっとしたトラブルがあると、どうしていいかわからず、家を出ることができなくなる」といったことが遅刻の原因でした。
 これらは高山さんが書かれた「1つのことしか考えられない」ことが原因ではないでしょうか?

 そこに「具体例→汎用化」の問題が絡んでくるので、アスペルガーの方が苦労されているのではないでしょうか?

 定型の方が「自然に」、「無意識に」こなしていることが、アスペルガーの方は、意識化して理解したうえで、大きな注意を払わなければならない、というのが、日常生活で苦労されていることだと思います。
Commented by かとうママ at 2013-07-23 18:13 x
とうふさん、みなさん、こんにちは。
マルマルさん、 薫さん、ご意見をいただきありがとうございます。

少し話が離れるかもしれませんが、わたしは、これまで経験を積んだだけでは定型のかたの考え方が よくわかりませんでした。
(わたし自身は診断を受けていません、いちおう定型だと思うのですが発達障害寄りのような気がします。)
数年前から、とうふさんやアスペルガーのかたがたの見方・感じ方をブログなどで拝読して、ようやく逆に 定型のかたの(一般的な)考え方というものが、わかったように思いました。
わたし自身の感覚や考え方が、あまり定型的ではないのだろうと思います。  (子どもは、アスペルガーではなく自閉症です。)

とうふさん、いつも貴重な記事と問題提起をありがとうございます。
アスペルガーのかたから見た、定型のかたとの考え方・行動の違いをブログで拝見できるので、とても参考になっています。

Commented by ゆったりのんびり at 2013-07-24 21:54 x
マルマルさん
私もはじめに浮かんだのは「世間話」という表象でしたが、「世間話で自動販売機?」という表象も浮かんできて、「そうだよね。世間話するなら具体的な飲み物の話だな。」と判断しました。
そう判断したら、
偶然にとうふさんに会った前の上司さんは、
 「とりあえず何か話さないと」
ととっさに思った。ちょうど目の前に自動販売機がある。この瞬間に前の上司さんの記憶に
 「いつかこの自動販売機に新しいものが入っていなかった」
がよみがえってきた。そこで、
 「この自動販売機、変わらないから飽きるよね。」
という言葉が口から出てきた。
と思えたのです。ですから「社交辞令」と表現しました。
Commented by ゆったりのんびり at 2013-07-24 21:54 x
続きです。


私は定型が新しもの好きというのは少し飛躍していると思います。私は定型ですが、普段、自動販売機で買うものは決まっています。なぜなら失敗したという経験があるからです。新しいものが入っていたら、まず周りの人たちの評判を確かめ、失敗がなさそうだったら買うことがあるという具合です。たまに新しいものを買うことがありますが、その時は気分が上機嫌なときのように思います。
またエンジニアという立場からお話しすると、次々に既存の商品を超える商品が開発されますから、負けないよう自分も新しい商品を開発していました。新しもの好きのために開発しているのではなく、他社に負けないためです。

とうふさん
いろんな考え方を覚えて下さい。定型は幼少の頃に「無意識に覚える」ことを身につけたのです。
それでは。
Commented by マルマル at 2013-07-25 07:29 x
ゆったりのんびりさんへ、マルマルです。

そ・・そうですか。コメントを数式で表せわれる定型もいらっしゃるんですね。ゆったりのんびりさんご自身は「新しもの好きのために開発しているのではなく、他社に負けないため」にエンジニアとして新しい商品を開発されているのですね。
しかし、それは「世の中の大勢の人(定型)が新しい商品を買いたがる」という社会のニーズがあるからこそ、既存の商品を越えるものを開発する必要性となり、各社に競争が起きて、その会社の社員の人にとっては社長でも営業でもエンジニアでも「他者に負けないため」という目標意識になる。とも、言えませんか?
1対1のさりげない会話から、定型社会の「新しいものが好き」という事実をつかんだとうふさんは、1人の人の言葉から社会の傾向を押し広げて正しく見抜かれたと、思いました。定型のよくする「思い当たりの応用」ですね。
それが勘違いなら「とうふさん、いろんなことを考えて下さい」になるのですが。



Commented by ゆったりのんびり at 2013-07-25 23:11 x
マルマルさん

人間は飽きる生き物なのです。
飽きが来てから開発をしていては他社に負けますから、市場調査をして先を見越して開発をします。そして売り出すのですが、開発したものがお客様の感性にあっていれば苦労せずに売れます。しかしなかなかそうはいかないので宣伝を打って、お客様を刺激します。

飽きのこないものもあります。芸術です。
ゴッホの作品は変わりません。ワーグナーの曲も変わりません。ゲーテの作品も変わりません。
芸術を愛する人は、皆、ASでしょうか?

宗教も変わりません。
キリスト教徒はASでしょうか?ユダヤ教徒はASでしょうか?イスラム教徒はASでしょうか?仏教徒はASでしょうか?

ASの方はある一つの印象をもってすべてと判断する、またいくつか続くとそれが全てであると考える傾向にあるように感じます。それが、白か黒しかないといわれる原因ではないかと考えています。

誰にでもいえるのですが、一つのミクロからマクロを判断する、また、ミクロを積み上げてマクロを判断すると間違えることが多いので、マクロをしっかりと観て、それからミクロを観て、もう一度マクロを観るという作業を繰り返して判断することが大切と思います。
Commented by abcde354 at 2013-07-27 00:03
薫様はじめ沢山の皆様、コメント有難うございました。
皆様のコメント拝見して感じたことを最新の記事にまとめてみました。
よろしければご覧頂ければ嬉しいです。
http://welladjust.exblog.jp/20779103/
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by abcde354 | 2013-07-22 00:15 | 自己分析 | Comments(21)

成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。


by abcde354