アスペルガー社会人のBlog

『働く君に贈る25の言葉』 佐々木常夫

このBlogで何度も取り上げている、
自閉症の長男を抱えながら東レの取締役まで務められた
佐々木常夫さんの著作。
3度図書館で借りて読み返して、とうとう買ってしまった。

正直、社会人になる前に出会っておきたかった本だ。
社会人になったばかりへの甥への手紙という形で
仕事への向き合い方、仕事をする上での心構えが書かれている。

勿論、この本は佐々木さんの意見であり、
全て鵜呑みにしてよいという事ではない。
「自分を偽らず、素のままに生きなさい」という一節があるが、
では自分はアスペルガーとわざわざ公言した方が良いかとなると
話は別といえるだろう。

それでも、この本から学べることは多い。
「プアなイノベーションより優れたイミテーションを」
「よい習慣は、才能を超える」
「事の軽重を知る。それが、タイムマネジメントの本質だ」
「書くと覚える、覚えると使う、使うと身に付く」
「リーダーとは、周りの人を元気にする人」
「運命を引き受けなさい、それが生きるということです」
心に響く言葉が続く。

その中でも、最も心に響いた文章をMore以下に引用してみたい。
「強くなければ仕事は出来ない。優しくなければ幸せにはなれない」
という題目の中の一節だ。
少々長いが読んでみて頂けたら嬉しい。

働く君に贈る25の言葉 (ポケット・シリーズ)
佐々木 常夫

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仕事をする上では強さが必要です。
困難な仕事を成し遂げるための「粘り強さ」、
失敗しても叩かれても立ち上がる「芯の強さ」、
ときには自説を押し通す「気の強さ」も必要でしょう。
こうした強さを身に付けて、仕事に立ち向かえば
きっと大きな仕事が出来るようになるはずです。

ただ、強さだけでは幸せになることはできません。
強さの根底に優しさがなければ、幸せになることはできないのです。

いま、多くの会社の経営陣に加わっている人々のなかには、
人間的に素晴らしい方がたくさんいます。
しかし、なかには、他者を切り捨て、傷つけてきた人がいるのも事実です。
そのような人たちは、たしかに仕事は出来るかもしれません。
しかし、そのような「権力者」と一生付き合っていきたいと思いますか?
「ああ、この人と出会えてよかった」と心から思うことができますか?

私は、他者を思いやる優しい人とともに仕事をし、人生を歩んでいきたい。
そして、私も優しい心をもった人間として、人生をまっとうしたい。
私たちは、ビジネスマンである前に一個の人間です。
幸せな人生を求める人間なのです。

優しさを貫くのは、簡単なことではありません。
口先だけの優しさは、かえって人を傷つける結果となります。
相手と真剣に向き合わなくてはなりません。
これは骨の折れることです。
弱い人を守ることによって、
強い人から攻撃を受けることがあるかもしれません。
ときには、優しさを捨て、誰かを切り捨てた方が
楽になれることがあるかもしれません。

それでも、優しい心を失わないでほしい。
なぜなら、それが幸せになる唯一の方法なのですから。
君なら、私の言おうとしていることを理解してくれると思います。
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by abcde354 | 2013-11-09 22:10 | 読書 | Trackback | Comments(6)
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Commented by ROMから一言 at 2013-11-18 17:45 x
直前の記事で主題となった”『人を魅了する』ための『非現実/非日常感』の演出”は、テーマパークが来場者を楽しませたり(と同時に消費を煽ったりw)、上司が部下のやる気を盛り上げたりするために、有効ではあるのですが……冷めた目で見れば”けれん”や”虚飾”に過ぎないんですよね。ぶっちゃけTDRは作り物のおとぎの国ですし、たとえ『前の上司』氏とするにしても仕事は日常の一部なわけで。

佐々木常夫氏の「自分を偽らず、素のままに生きなさい」という一節が意味する所は、『人を魅了する』ための演出なぞせずに、自分の長所を積極的にアピールし、しかし短所は率直に認めて、誠実に生きなさいって事だよね……と思いました。

#アスペ当事者である事を、ご自身の判断&自己責任に於いて公言しない件は、ご自分を偽っているというのとは、この場合違うと思いますよ。
Commented by abcde354 at 2013-11-24 21:14
もう一度「自分を偽らず、素のままに生きなさい」を読んでみました。ROMさんおっしゃるとおりで下記の一節があります。

会社人生とは長いものです。そして、周りの人は、じっとその人のことを見ています。10年もすれば、本当はどういう人なのか知れ渡ってしまうものです。どんなに自分を偽ろうとしても、自分をより良く見せようと飾ってみても、ほとんど意味がないのです。
自分を偽るのはつらいことです。ウソが露見しないために、四六時中、気を張っていなければならない。ちょっとしたことで破綻しないかとビクビクしている。しかも、それすらも周りの人はお見通しです。
だったら、わざわざ演技する必要などないではありませんか?

ただ、その後に、問題を抱えたときはオープンにしろとも書かれていて、そこについてはオープンにする具合を考えないといけないと感じています。

しかし、前の上司が素で非日常感を作り上げたのだとしたら、凄すぎます…。
Commented by ROMから御礼 at 2013-11-24 22:35 x
お忙しい中、更に考察を深めて下さってありがとうございます!
『(アスペ当事者であるブログ主さんは)問題を抱えたとき……オープンにする具合を考えないといけない』とのお考え、全くその通りだと思います。先のコメントで、私が『アスペ当事者である事を、ご自身の判断&自己責任に於いて公言しない』と書いたのは、正にそれです。
佐々木常夫氏は確かに自閉症のご子息をお持ちですけど、この本の読者としては専ら定型多数派を想定してお書きになったでしょうし、上記の件は”自分を偽る”というのとは、やはり別義と解釈すべきでしょう。

『前の上司』氏は、一見”素”であるかのようなさりげなさで、非日常感を演出=部下のやる気を盛り上げた/非日常的演技を引き出したのだろうと想像します。具体的にどうするか妄想できなくはないですけど、なんだか凄く消耗しそうな気が……『前の上司』氏も内心、結構しんどかったんじゃないかと思います。『前の上司』氏は、定型多数派の中でも精神力・体力の許容量が相当大きな方みたいなので、可能だったのでしょうね。
Commented by abcde354 at 2013-11-24 23:19
ありがとうございます。定型でも前の上司と同じ事をやろうとしたら凄く消耗するのですね。自分が前の上司と同じことやろうとして壊れたのはアスペルガーだからかと思っていましたが、普通なことなのかなと思い始めました。
前の上司と前回仕事したときは、お互いに辛さを見せないようにしていた部分があったのかな、と思いました。(前の上司が最近いうには、自分は淡々と仕事を進めていて凄いなーと思っていたとのことでした、自分は定型と同じように行動しようと必死で相当消耗していたのですが)
Commented by ROMからもう一言 at 2013-11-25 00:03 x
連投、恐縮ですが……敢えて言えば、己の許容量がどのくらいか予断できずに『壊れ』てしまうまで『前の上司と同じことやろうとし』ちゃった、という所が『アスペルガーだから』でしょうかねえ……
定型多数派は大抵の場合、『壊れ』てしまう前に「あー、私のキャパはここまでかな〜」と予断し、『前の上司』さんと同じことをやるのは、今の私にはちょっと無理&でも出来るようになるのが今後の目標だよな、と見切れるものだと思います。
Commented by abcde354 at 2013-11-25 00:07
おっしゃるとおり、壊れるまで気づかないのはアスペルガーならではかもしれないですね。
体調にしても、よほど耳を済ませていないと悪いことに気づけない状態ですので。
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成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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