アスペルガー社会人のBlog

『悩む力』 斉藤 道雄

「べてる」本、第4弾。
講談社ノンフィクション賞受賞作。
著者はTBSで社会部記者、外信部記者、News23プロデューサー等を歴任。

本書を一言で言えば、べてるの家の歴史や背景を掘り下げた書、となる。
「三度の飯よりミーティング」
「安心してサボれる職場づくり」
「そのままでいい」…
べてるの家にはいくつもの理念があるが、
それら理念の背景を垣間見ることが出来た。
べてるの家の深い部分に迫った書物といえるだろう。

特に印象に残ったのは、最終章「絶望から」であった。
文章をいくつか引用させて頂きたい。

(大尉というずばぬけて多くの問題を起こしたアルコール中毒患者に相対して学んだこと)それは、だれも大尉の代わりに生きることは出来ないし、大尉の問題を引き受けることもできない、大尉の問題はかぎりなく大尉に返していくしかない、ということだった。

「この人生を生きていてなんの意味があるのか」と考えてはいけない。「この人生から自分は何を問われているのか」を考えなければならない。

絶望からはじまり、深い幻滅をくぐりぬけ、ひたすら降りていく生き方のために、べてるでは苦労が与えられ、悩みが勧められる。絶望することが援助され病気であることが肯定され、そのままでいいという生き方、あるいはそのままでしかいられないという生き方が提唱される。不思議なことに、あるいは当然のこととしてそうなるのだろうか、その生き方は問題のあまりの多さにもかかわらず、ほかのどこでも見つけることのできない人々の顔つきの良さと、深い安心と、思いもかけない豊かさとを生み出している。


悩む力
斉藤 道雄

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by abcde354 | 2007-01-02 18:25 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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