アスペルガー社会人のBlog

「地上の楽園」などは存在しない

テレビで在日朝鮮人の方の話をやっていた。
日本で生まれた後、
「地上の楽園」だと思って北朝鮮に渡ったが、
現在は脱北して日本に戻ってきたという。

「地上の楽園」、その言葉に自分は中学受験のことを思い出した。

自分は幼稚園の頃から周囲に違和感を感じていた。
周囲が軽く出来ることが自分にはこなせない、
努力しても努力しても浮いてしまう。
何故だろうと思い続けてきた。

そんな自分、とある中学校の文化祭発表に魅せられてしまった。
その発表は『EC(現在のヨーロッパ連合)の研究』。
幼稚園の頃から毎日ニュースにかじりついていた自分にはたまらない話題だった。
そこに自分の居場所があるような気がした。

その中学校は、毎年東大合格者を輩出する進学校。
塾の一部の先生からは成績的に厳しいといわれたが、
そこに「地上の楽園」を感じてしまった自分は
何としても合格するのだと思い勉強に励んだ。

結果、運良くその中学校に合格できた。
しかしそこは「地上の楽園」というには程遠い場所だった。
東大進学のためにあり
ひたすら勉強に追いまくる環境は、
アスペルガーな自分をストレスフルにした。
生来のストレスに対する脆弱性が心身を蝕み、
鬱的な症状に苦しめられた。
この世の中に「地上の楽園」など存在しないと思い知った。

「地上の楽園」も「アスペルガーにとって居心地の良い環境」も
この世の中には存在しないと自分は今でも思っている。
問題なのは、自分の環境を「どう感じるか」ということ。
本人が「地上の楽園」と感じれば、
たとえ他者からみて過酷な場所であっても居心地の良い場所であり、
本人が「辛い場所」と感じれば、
他者が「居心地の良い場所」と感じていても過酷な場所である、
そういうことだ。

「地上の楽園」など決して存在しない中で如何に生き抜いていくのか。
人生というものを全うするのか。
少々考えてしまった。
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by abcde354 | 2007-10-23 01:15 | 考察 | Trackback | Comments(18)
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Commented by めろんぱん at 2007-10-23 21:47 x
考えさせられる言葉ですね。私も、昔はどこかにそういう場所が存在すると信じていたように思います。
Commented by ケロリン at 2007-10-24 23:49 x
「地上の楽園」、一体どこにあるのでしょう。とうふさんは、その答えに近づいているように思えます。目にみえるものだけが、この世に存在するわけではなく、五感を刺激するもの全ては、実際に目にみえていなくても、この世に存在する。そう思いませんか?
何かを「心地いい」と感じられる自分こそが、「楽園」そのものなのではないでしょうか。
それは線でも、面でもなく、点かもしれない。でも、一瞬でも、身を委ねられる瞬間があるのなら、それは「楽園」との接点。
50年生きてきて、小さな小さな瞬間に、これが「幸福」なのか、という思いに辿り着いたケロリンです。
Commented by hikkey05 at 2007-10-27 22:34
とうふさんこんばんわ。「地上の楽園」「約束の地」「青い鳥」つい数年前までワタクシも探し求めていました。40すぎてそれは、じぶんのこころの中にあるのかなあとなんとなく感じるようになりましたが、ひょっとしたらそれを死ぬまで追い求めているのかもしれないと考えるようになりました。それが生きるということなのかな。不器用で生きつらさを抱えながら、それでも朝起きたら目が醒めるという事実。それをうけとめ日々をすごしてかさねていくのだろうかと最近思うのです。淡々と自分のできる範囲で生きることに徹することができるとまあまあかなと。しかしながら、あまり細くもないこの腕にこども3人犬三匹がぶら下がっています。無理をしなきゃあいけないときもあるんですよね。そんなときには、あ~青い鳥いないかなあ~と思うのが本音です。
Commented by まりな at 2007-10-30 23:53 x
中高一貫だったらきっと私と同じ学校ですね
というくらい似たような境遇です。
私は自分の意思ではなかったので、すべての出来事を
「~しなければならない」と捉えていた記憶があります。苦痛でした。

>自分の環境を「どう感じるか」
ある意味「客観視」とも通じるかもしれませんね。
今思えば、自分の感情的には不幸でも、客観的にはとても幸せな環境だったと思います。
幸せ力、難しいですね。
Commented by あかね at 2007-10-31 17:30 x
とうふさんとそっくりの息子が、中学受験生です。でも、一番行きたい学校は諦め、今の志望校もあとから塾によって変えさせられた学校で、
楽園と思えないので、まるでやる気がありません。
だらだら眠いだのなんだのと、言い訳ばかりしている息子に、わかっていても、いらいらし、きれてしまいます。
母子家庭です。2人きりです。勉強は本来は好きなのですが、とにかくケアレスミスでの失点のため、良い偏差値が出せず、それも本人のストレスになっています。リタリン服用も、良い時と悪い時があります。
本人の集中力は元来あるので、薬でなく、自ら勉強してくれるにはどうしたらいいんでしょうか。
本当に、追いつめられています。。母親のこちらも鬱です。
とうふさんも今ちょっと大変そうですが、、とうふさん、ヘルプです!
Commented by abcde354 at 2007-11-04 15:56
めろんぱんさん、コメント有難うございます。レス遅くなり失礼致しました。
「昔は信じていた」深いお言葉です。
Commented by abcde354 at 2007-11-04 16:14
ケロリンさん、コメント有難うございます。
「小さな小さな瞬間に、これが『幸福』なのか、という思いに辿り着いた」
「幸福」と思える小さな小さな瞬間を沢山見つけられるようになりたいと思いました。
有難うございました。
Commented by abcde354 at 2007-11-04 16:19
まりなさん、コメント有難うございます。
私も中高一貫校です。同じかもしれませんね。

「自分の感情的には不幸でも、客観的にはとても幸せな環境だった」
周りからは羨ましいと思われる学校でしたので、客観的には幸せだったんですね。
ご指摘頂いて、客観視の弱さを改めて感じました。有難うございます。
Commented by abcde354 at 2007-11-04 16:26
あかねさん、コメント有難うございます。「自ら進んで勉強しはじめる時」という記事にまとめてみました。何らかのご参考になれば幸いです。
アスペルガー症候群の長所は、ひとたび勉強しはじめれば定型には考えられない幅で成績上昇することだと思っています。自分の場合も、1ヶ月で偏差値15ポイントUpといったことが何度もありました。アスペルガーにとっては来年の本試験までまだ十分な時間が残されています。どうか焦らず、じっくり構えてあげてください。自ら勉強しはじめれば必ず成績は上昇しますので。
Commented by abcde354 at 2007-11-04 16:37
hikkey05さん、いつもコメント有難うございます。
「淡々と自分のできる範囲で生きることに徹する」
そうですね、無理せず自分が出来る範囲のことを日々やっていくことが重要だ
と改めて感じました。どうも有難うございます。
Commented by あかね at 2007-11-05 09:58 x

子供のうちは楽園を目指していても良いでしょうね。
大人になって気がつくんですよ。楽園は、自分の心の持ち方次第って。
生まれてきたことが、修行だと思えば、楽園なのは赤ん坊のときだけです。
とうふさんは、アスペだとしても、非常にうまくいってるように思えます。
冷静な客観視ができる、またはしようと努力できる。
自己改善に努力できる、他人の言うことに耳を傾けられる。
これらのことって、出来ないアスペが多いですから。

Commented by amayatic at 2007-11-05 18:12
ASの診断が下りていない潜在的なASの方でも世間とずれていることにはうすうす感じているはずで、それなりに自己改善に努めたり、ここは他人の言うことに耳を傾けるべきか否か、程度の差こそあれ苦労しているかと存じます。
ただ、どうしても右往左往してしまい、健常者の方にとっては鬱陶しく思われるかもしれません。
その上にASの診断を下りている者は一層努力しようとするのですが、限界があり、おまけに、他人にはなかなかASだと告げられないので、婉曲に「人と合う話を見つけるのに苦労している」等と告げると、「どうして解っているのに改めないんだ!?成果が見れない」と罵られ、余計に自己評価を落としたりもするものです。
Commented by amayatic at 2007-11-05 18:14
あかねさんが困惑した状況にいらっしゃることは存じますが、息子さんにぶつけている苛立ちが、文面上に現れているように感じられます(「~できないアスペが多いですから」といった所に)。そして、私が息子さんであったならば、そういった苛立ちに反発するでしょう。
無責任な言い方かもしれませんが、名門中学に入ったところで人生が保障されません。高校・大学・就職・大型資格・・・いつでも巻き返されます。逆に言えば、中学入試に失敗してもいつでも巻き返すことが可能なのです。まずは、お2人とも落ち着いて、ASの特性を活かした、より中期的な人生設計を熟慮してはいかがでしょうか?
Commented by あかね at 2007-11-05 21:46 x
すみません、実は、職場の上司というか社長がアスペなんです。
まさに、典型。非常に参っています。「人の言うことを聞かない」のです。
それでずるい人から利用されてるのに、頑固で他者に耳を貸さない。。
それのいらだちかもしれませんね、くくってすみません。
とうふさんは、全然違うので、素晴らしいです。

巻き返し可能な人生ってことはよくわかっております。
特性を活かす仕事に、とは思いますけれど、何が特性を活かすのか、まだまだ
わかっておりません。
Commented at 2007-11-05 21:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by amayatic at 2007-11-05 22:43
不快感を与えてしまったのであれば、こちらも申し訳ございませんでした。
私事で申し訳ございませんが「自己改善に努力できない。他人の言うことに耳を傾けない。無能」という言葉は就職活動中に十数回と訪問した企業が最後の最後に言いつけて切り捨てた言葉で、思い出してムカッとしたものですから(おまけにその分他の企業を巡る時間は割かれ、結局、資格でも取ってやり直すしかなくなったものですから)。

最早、以下は、私が言うまでもないでしょうが・・・私はASの特性は研究員やエンジニアなどで発揮されると思います(他の分野で活躍なさっている方々もいらっしゃるでしょう)。あまりお2人で抱え込まずに、近くの発達障害者相談センターや家族会で情報交換してみることをお勧めします。
Commented by abcde354 at 2007-11-10 02:23
あかねさん、度々のコメント有難うございます。
自分自身と向き合い、自己改善に努力できるようになったのは、アスペルガーの確定診断を受けてからです。障害を知ったことで自己改善の方向性が見えてきましたし、他者の言葉をどう受け止め活かせばよいかも多少ながら分かってきたような気がします。
Commented by abcde354 at 2007-11-10 02:31
amayaticさんコメント有難うございます。おっしゃるとおり、自己改善は簡単なものではないと思います。自分も上司から同じ指摘を5度6度と受けます。アスペルガーの特性から生じる指摘も多いです。ただ、アスペルガーであっても工夫により補える部分もあるだろうと最近は考えています。自ら限界を設定してしまわないように気をつけているところです。
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成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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