アスペルガー社会人のBlog

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秘書検定

MSWの方から秘書検定の受検を勧められた。
一般的なマナーを身につけるのに良いのでは?とのお話だった。

考えもつかない方向のお話で一瞬驚いたが、
MSWの方からご紹介頂いたSSTの本の文章で納得した。
「統合失調症を発症した人は、幼児期から注意力の微細な欠損がみられる。注意力欠損のため、適切な対人関係を発展させたり、生活技能を身につけたりすることが上手くいかない。」

この文章から考えを進めると、
ADHDは注意が不足しているため、日常生活で一般的なマナーを学びにくい。
マナーが身についていないため不適切な行動を取ってしまう。
不適切な行動を取るため孤立し、益々マナーを身につける機会を失う。
となるのだろう。

注意欠陥が社会的不適応を起こしてしまうとは大きな発見であった。
秘書検定、是非挑戦してみたいと思う。

ご参考:本文で引用した本。
わかりやすいSSTステップガイド―統合失調症をもつ人の援助に生かす〈上巻〉基礎・技法編
アラン・S. ベラック スーザン ギンガリッチ キム・T. ミューザー ジュリー アグレスタ Alan S. Bellack Susan Gingerich Kim T. Mueser Julie A / 星和書店
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by abcde354 | 2006-11-30 01:04 | 社会適応 | Trackback | Comments(0)

『知的障害者雇用の現場から―心休まらない日々の記録』 安部 省吾 (2)

著者は伯東株式会社(東証一部、エレクトロニクス商社)勤務。
著者が関わった知的障害者雇用の実態を記した書。

(2)では企業に雇用されている一アスペルガー当事者として、参考になった点を引用したい。

・環境が変われば人も変わる
「(丸山さんは)自宅からの通勤の時は(母が生活に精一杯でしつける時間もなく)まともに食事も取らず、風呂にも入らず洗濯もせず、体から異臭を感じるといわれたものだが、生活ホームから通勤することになってからマニキュアをしてくるなどおしゃれも覚えた」

丸山さんは生活ホームで生活指導を受けて、大きく変わったそうだ。
MSWの方から、障害者は生活環境の不備を自ら補う力が弱いことを教えて頂いたが、このエピソードには環境の重要性を痛感する。

・心理面の大きさ
「彼ら(障害者)は常に心の中に不安定要因を持っています。そして、会社に来てから、その不安定要因が顕在化することが多い。最大の心理的不安定要因は、自分の「心の思い」(例えば不満)を自然に、相手に表現できないことです。
 それがストレスになって、心理的不安定をつくり、…最悪の場合は休んで出勤しなくなります。彼らの心の言い分を読み取り、話を聞き、尊重し、心に安定を取り戻してあげることが、彼らとの指導、交流の中でとても重要な仕事になってきます。」


『降りていく生き方』のパニック論でも「言葉を獲得すること」の重要性が説かれていたが、同じ事が出てきた。
言葉を獲得していくこと、本当に重要視しなければいけない。

知的障害者雇用の現場から―心休まらない日々の記録
安部 省吾

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by abcde354 | 2006-11-29 23:48 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『知的障害者雇用の現場から―心休まらない日々の記録』 安部 省吾 (1)

著者は伯東株式会社(東証一部、エレクトロニクス商社)勤務。
著者が関わった知的障害者雇用の実態を記した書。

『チャレンジする心』の横河電機と伯東株式会社、
障害者雇用が成功した企業には一貫した姿勢がある。
「障害者雇用は企業活動の一環であり、ボランティアや福祉事業ではない」という姿勢だ。
企業の姿勢が「障害者も利益を上げるべき社員」となれば、
障害者も企業の一員であることを感じられ、生産性が上がるのではないか。

さて、本書は生々しい実態が書かれており、
企業の障害者に対する見方を知る上でも
企業に雇用されている者としてよりよく働くためにも参考になった。

(1)では障害者に関する企業側の見方として、何点か引用したい。

・指導員の存在
「知的障害者が単独で、つまり彼らだけで安全かつ丁寧に作業をすることは環境清掃、リサイクルともに不可能です。そこで、彼らをより安全に指導する、指導員と呼ばれるスタッフの存在が必要となります。」

・適正賃金とは?
「例えば、同じ仕事を外注清掃していたときの時給800円との対比で言えば、常時指導員の指導が欠かせないのだから彼らの労働能力はその2分の1以下が妥当」

・安全管理
「企業で障害者雇用の事故は絶対に起こしてはならないことです。どんな理由があろうとも、雇用側が正当化されることはなく、民事裁判上でも「利益あるところに結果の過失責任あり」が定着しています。」

知的障害者が単独で作業をすることが本当に不可能か、は
一障害者として疑問が残る点ではある。
ただ、それほど企業が安全管理に気を遣っていることは窺える。
障害者雇用が「企業にとって大変神経を使う作業であること」
をひしひしと感じるものだった。

知的障害者雇用の現場から―心休まらない日々の記録
安部 省吾

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by abcde354 | 2006-11-28 23:47 | 読書 | Trackback | Comments(2)

『ぼくのアスペルガー症候群―もっと知ってよぼくらのことを』 ケネス ホール

著者は北アイルランド在住のアスペルガー当事者。
出版当時、10歳だったそうだ。

「子供かつアスペルガー当事者」が著述した本は少なく、
定型が非定型の考えや行動を理解するのには適した本だろう。
特に、非定型児を子育て中の定型父母には良いのではないか。

逆に、非定型にとっては当然のことが多く、復習程度の本といえる。

この本で当事者として興味をそそられたのは、怒りのセラピー。
表でまとまっていて、分かりやすかった。

<怒っているときにやっていいこと>
・パンチバックをたたく
・愉快な絵を描く
・まくらを思いっきり叩く
・おしゃべりをする
・冗談を言う
・散歩をする

<怒っているときにしてはいけないこと>
・人をたたく
・怒りをおさえこむ
・ものを投げる
・すねる
・人に向かってどなる
・人を悩ます、どなる

ぼくのアスペルガー症候群―もっと知ってよぼくらのことを
Kenneth Hall 野坂 悦子

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by abcde354 | 2006-11-20 22:35 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『チャレンジする心―知的発達に障害のある社員が活躍する現場から』 箕輪 優子

泉流星さんのBlogで紹介されていた本。
本書の著者は横河電機人財労務部所属。
障害者雇用のための特例子会社設立を提言し、取締役となる。
著者が設立した特例子会社での知的障害者との日々をまとめている。

「素晴らしい」の一言。

本書で書かれていることは、
企業体として収益をあげる為の人財マネジメントの基本。
日常、暗黙の了解で言語化できていないことが、
この本ではしっかり言語化されている。
障害の有無など関係ない。
基本が出来ているから収益があがっているのだ。

ということで、本書から人財マネジメントの基本をまとめてみた。

①自信がつけば能力は向上する。
いじめやマイナス評価に対抗して実力を発揮するには、
「自分の強みを自分で発見できるようになる」ことが必要。

自分の強みを発見できるようになるために、
1ヶ月毎に出来るようになったことを書かせ、声に出して発表させた。
事実で、本人が自覚していることを声に出して発表させることで、
その事実は自分のものになっていく。

②事あるごとに問いかけること。
「何をやったか教えてください。」
「○○さんはどう思いました?」
「○○さんはどうしたいのですか?」
「もう少し詳しく教えてください」
「どうしてそう思うのですか?」
「それで○○さんはいいのですか?」

③よりよく伝えること。
1.具体的に伝える
×「がんばりましょう」
○「今日は10個出来たので、明日は15個作れるようになりましょう」

2.装飾語は省き、内容は小出しで丹念に伝える。

3.比喩表現を使わない。
×「縁日の屋台のようですね」

4.伝わっているか確かめる
×「わかりましたか?」
○「私が話したことはどのような内容でしたか?」

5.平易な表現(単語)にレベルダウンさせる必要はない
×「できたものを届ける日」
○「納期」

④当事者性を尊重する。
周囲が当事者に対して過干渉になり、当事者を差し置いて決めてしまうと、
仕事においても周りの人間達に必要以上にサポートを求めることになってしまう。

⑤「品質・コスト・納期」の向上には、『定型化』が有効。
マニュアルによって定型化し、やるべきことを細かく決めることが、
障害による制約と取り払い、自由な活動を保障する。
マニュアルによって正確な仕事を身につけていく学び方も認めるべき。

チャレンジする心―知的発達に障害のある社員が活躍する現場から
箕輪 優子

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by abcde354 | 2006-11-15 21:56 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『降りていく生き方―「べてるの家」が歩む、もうひとつの道』 横川 和夫

「べてる」本、第2弾。
著者は共同通信社会部記者の後、フリージャーナリスト。
教育問題を取材していく中で「べてる」にたどり着き、
川村医師、向谷地PSW、当事者の方々への取材をまとめたとのこと。

本書で自分が最も興味を持ったのは、
統合失調症の爆発(キレル)のメカニズムであった。
以下で簡単にまとめてみたい。

①何故爆発するか。
語るというスキルがなかったから、いじめとか偏見とか依存関係とか、ネガティブな習慣をこころのゴミ箱にずっとためこんでいて、それがエネルギーとなって、なにかの認知障害によって爆発に作用していたんだということです。そして爆発すると、自分も傷ついて、後悔して反省するんですけど、引きこもったら対人関係がなくなるから、薬を飲まなくなったりして妄想とかの病状が出てきます。…その病状が出てくると爆発に向かうんです。というのも、このまま一生涯、この苦しい状態が続くのかと考えたら、つらくなるんです。だからつらさから逃れるために、リセット作用が働いてふたたび爆発する。リセット作用ですべてをチャラにする。

②何故爆発が繰り返されるか。
爆発することによって効果があると、からだが知っているから、爆発に依存する。当事者が、爆発に依存するというメカニズムを理解し、自覚し、悪性の爆発ではなく、良性の爆発にきりかえていくことが必要。

③良性の爆発にきりかえるためには
言葉を獲得する、つまり自分の思いや気持ちを話すことが出来るようになると、爆発をおこさなくてもすむようになっていく。

④言葉を獲得するには
安心していられる人間関係、弱さを口にしても誰も足をひっぱらないことが分かって初めて、弱さを口に出来るようになり、言葉を獲得できる。また安心していられる人間関係の中で、自尊心も向上していく。

自分のパニックも基本は同じメカニズムではないかと推測していた。
自分の場合は、マイノリティでありコミュニケーションの障害もあるため、
共感をえられにくく、人間関係を構築しにくい。
安心していられる人間関係が構築しにくいため、言葉が獲得できない。
言葉が獲得できないため悪性の爆発しか方法がない。

良性の爆発にきりかえるため、何をすべきか、
自分自身を見つめなおし、考えてみる必要がありそうだ。

降りていく生き方―「べてるの家」が歩む、もうひとつの道
横川 和夫

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by abcde354 | 2006-11-15 00:24 | 読書 | Trackback | Comments(2)

アスペルガー当事者の就労に関する記事

アスペルガー当事者の就労に関する記事を探していたところ、
自分が引用した記事が成人サポート事業サイトにまとまっていた。

成人サポート事業サイト セルフサポート(仕事編)

成人サポート事業サイトにある記事は、
時間をおいて削除しようと思う。
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by abcde354 | 2006-11-14 21:41 | 社会適応 | Trackback | Comments(0)

当事者の就労を考える上で有用な記事

「アスペルガー、ADDのサラリーマン日記」 を拝見していたところ、
当事者の就労を考える上で有用な記事を発見した。
一部引用すると、
「自分の才能、好きなことをできるだけ
早くみつけて、勝ちパターンを早いうちに発見し、
環境の変化に弱いことを回りに予めそれとなく伝え、
職場でもリラックスできるように、いろいろ工夫し、
上司には報告、
口頭がいやならメール魔になり、
できないことが多ければお給料や出世は我慢する」

ということだ。

全く同意したい。
自分も上手く仕事が進んだ時は、勝ちパターンにはまった時である。
環境変化への弱さも伝えてある。「鬱に環境変化はよくないこと」を利用して伝えた。
リラックスは他階の個室トイレで一人ボーっとしている。
報告は全てメールで済ませている。今のところメール報告で支障はない。

ただし、メールを多用するようになって
コミュニケーション能力が低下したようにも感じる。
場数が減ってしまったからだろうか。

全文はこちら。「就労について」
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by abcde354 | 2006-11-14 16:22 | 社会適応 | Trackback | Comments(0)

『べてるの家の「非」援助論』 浦河べてるの家 (2)

「べてるの家」の成功を学びたく、手に取った。
(2)では、この本を読んでアスペルガー当事者として役立った部分を書きたい。

①精神障害は「関係性の障害」である。
精神障害は、人間関係によって引き起こされたものである。

②精神障害は「緩和装置」である。
精神障害は、無理をしたりストレスにさらされると再発する。
精神障害は、関係の危機を乗り切るための緩和装置として作用する。

③精神障害にとって重要なのは「言葉の獲得」である。
自分の病気を語ることによって病気が見えてきて、その豊かさも見えてくる。
大事な場面に大事な思いをきちんと出せるようなコミュニケーションを知ることで、
病気と上手く付き合えるようになっていく。
言葉を獲得するには「場数」を踏み「慣れる」ことが必要。


発達障害者が2次障害を併発しやすいのは①②から容易に想像できる。
発達障害者が定型と関係を構築するのは異文化交流であり大変難しい。

また、発達障害においても「言葉の獲得」は重要な問題と考える。
特にパニックを抑える、周囲との軋轢を減らす、ために必要不可欠なことだ。
発達障害の場合は、場数を踏み慣れることに加え、
適切なコミュニケーション方法を学び暗記することが必要だろう。

べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)
浦河べてるの家

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by abcde354 | 2006-11-12 17:03 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『べてるの家の「非」援助論』 浦河べてるの家 (1)

「べてるの家」の成功要因を学びたく、手に取った。
(1)では「べてるの家」の外的成功要因について記述したい。

外的成功要因は3つの悪条件にあったことが察せられた。
1点目は、地域で精神障害者は日常的に迷惑な存在であり、
「理解を求める」ことは最初から諦めなければいけなかったこと。
差別・偏見は当然というコンセンサスが当事者間で出来ていたからこそ、
1袋3円という儲けにならない昆布の袋詰め作業が5年も続き、
地域を誉め続けるという戦略も生まれたのだろう。

2点目は、地域経済全体が衰退していたこと。
それは、日高昆布の産地直送販売に対して漁協の協力を取り付けたエピソードに現れている。
当時漁協は日高昆布消費量の頭打ちに悩んでいた。
販路拡大へ手段を選べる状況ではなかったため、
障害の有無に関係なく協力が得られた。

3点目は、精神障害者の集まりであったということ。
日高昆布の出張販売日、販売担当早坂さんは非常に状態が悪かったという。
しかし、日高昆布は完売した。
何故なら、ボランティアの奥様達が
「早坂さんは体調悪いのに売りに来ている、買ってあげて」
と言って売ってくれたから。
障害者の集まりであることが"売り"になったのだ。

①障害に対する「差別・偏見」は当然という認識を持ち、
障害に対する理解を求めないこと。
②差別・偏見が当然だからこそ、
"誰もやりたがらない"が"必要"なものをキャッチして
積極的に事業化していくこと。
③障害というハンデを"売り"にする方策を考えること。
重要な示唆を頂いた。

べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)
浦河べてるの家

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by abcde354 | 2006-11-12 15:03 | 読書 | Trackback | Comments(0)


成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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