アスペルガー社会人のBlog

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「べてるの家」の講演会

「べてるの家」の講演会を聴きに行った。
PSW向谷地生良さんとべてるの家メンバーの統合失調症当事者3人が、
べてるの家について、統合失調症について、お話してくださった。
アスペルガーにも適用できると感じる言葉が数々あったので、書き留めてみたい。

1.当事者にとって重要な環境(向谷地PSW)
爆発(などの失敗)によって評判が落ちない認められ方をしている環境

爆発⇒自責の念⇒引きこもり⇒被害妄想・不安感⇒爆発の準備行動⇒爆発
と繰り返される爆発循環の
「引きこもり」局面を起こさせないために必要なのが
爆発によって評判が落ちない認められ方、となる。
「引きこもり」が起きないことにより、爆発のエネルギーが当事者から切り離される。

2.自分を肯定するために必要なこと(当事者・早坂さん)
ただ「自分は良い奴だ」と思い込もうとしても、全く効き目はない。自分の生い立ち、恐れ、生き様を理解した時に、初めて自分を肯定することが出来る。

3.自分の感情をきちんと把握すること(当事者・清水さん)
「仕事に行きたくない」のか、「仕事に行きたいのだけれども、マイナス思考に襲われるから行けない」のか、区別をきちんとしていくこと。
そして自分の感情を自分の言葉で相手に伝え、受け止めてもらうように。安心感が得られる。

4.仲間から得られるもの(当事者・清水さん)
仲間といることで自分を客観視出来る様になる

5.支援者の方が倒れないために(向谷地PSW)
支援者の方は当事者に「相談する」プロにならなければいけない。
自分が何かしなくては、と思うと倒れてしまう。
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by abcde354 | 2007-02-12 03:00 | 社会適応 | Trackback(1) | Comments(1)

『べてるの家の「当事者研究」』 浦河べてるの家

「べてる」本、6冊目。
雑誌『精神看護』に連載された「当事者研究」をまとめた本。
当事者研究13本と、べてるの家の川村医師、向谷地PSWのインタビューが掲載されている。
被害妄想、喧嘩、自己虐待など、アスペルガーにも役立つテーマが多く、参考になった。

中でも興味をひかれたのは、爆発の研究であった。
まとめておきたい。

①爆発のサイクル
1、爆発の準備行動
 爆発のきっかけを探し回り、餌をまき罠を仕掛ける時期
2、爆発
 爆発する
3、後悔・反省の時期
 自責と後悔の念に襲われ、人一倍反省する。
 「また、やってしまった」「おまえは何をやってもダメ」という<お客さん(思考)>が騒ぎ立てる。
 そのため、爆発を防ぐために対人接触を断ち、引きこもる
4、被害妄想、不安感、あせり
 引きこもると生活リズムが崩れ、服薬や通院も途絶えがちになる。
 不安感や孤立感がつのり被害妄想も増し、更に辛くなる。
 誰かに当たらないと気がすまなくなり、爆発の準備行動へ戻る。
 
②爆発の停止を阻む<お客さん>
1、自己否定
 「またやってしまった」「おまえは何をやってもダメ」
2、お節介型
 「ぼくが(誰かを)なんとかしてあげたい」⇒要求にこたえようとして疲れ、不満がたまる
3、比較型
 「彼にできたのだからぼくにもできる」⇒がんばってしまう
4、ほめ殺し型
 「あなたはケーブルをひいてオンラインゲームも出来る」⇒他者にケーブルをひいてしまうしかないので、他者に絡み、最後に爆発する。
5、誘惑型
 「一度くらいゲームしたって大丈夫だよ」

③爆発の連鎖を断てた時
仲間に「助けて」というSOSが出せた時に、初めて執拗な<お客さん>が自分から遠ざかっていった。

べてるの家の「当事者研究」
浦河べてるの家

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by abcde354 | 2007-01-21 00:53 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『安心して絶望できる人生』 向谷地 生良 浦河べてるの家

「べてる」本、第5弾。
本書は当事者研究の重要性を説いている。
前半では当事者研究の意義と方法を述べ、
後半では研究成果を収録している。

本書に収録されている研究成果は、自分にも参考になった。
研究対象となっている行為(爆発、人間アレルギーなど)は
アスペルガーでも発生する行為だからだ。
特に興味深かったのは「サトラレ」の研究だ。
自分の行為を悟られているという感覚に悩まされてきた当事者。
しかし、それは悟られているのではなかった。
自分の思いを口に出来ないために、体で相手に「悟らせていた」のだった。

一方、当事者研究の本だけあり、べてるの家の背景や歴史については詳しくない。
『悩む力』『べてるの家から吹く風』の方が、べてるの家を知るには参考になった。

安心して絶望できる人生
向谷地 生良 浦河べてるの家

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by abcde354 | 2007-01-08 15:31 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『悩む力』 斉藤 道雄

「べてる」本、第4弾。
講談社ノンフィクション賞受賞作。
著者はTBSで社会部記者、外信部記者、News23プロデューサー等を歴任。

本書を一言で言えば、べてるの家の歴史や背景を掘り下げた書、となる。
「三度の飯よりミーティング」
「安心してサボれる職場づくり」
「そのままでいい」…
べてるの家にはいくつもの理念があるが、
それら理念の背景を垣間見ることが出来た。
べてるの家の深い部分に迫った書物といえるだろう。

特に印象に残ったのは、最終章「絶望から」であった。
文章をいくつか引用させて頂きたい。

(大尉というずばぬけて多くの問題を起こしたアルコール中毒患者に相対して学んだこと)それは、だれも大尉の代わりに生きることは出来ないし、大尉の問題を引き受けることもできない、大尉の問題はかぎりなく大尉に返していくしかない、ということだった。

「この人生を生きていてなんの意味があるのか」と考えてはいけない。「この人生から自分は何を問われているのか」を考えなければならない。

絶望からはじまり、深い幻滅をくぐりぬけ、ひたすら降りていく生き方のために、べてるでは苦労が与えられ、悩みが勧められる。絶望することが援助され病気であることが肯定され、そのままでいいという生き方、あるいはそのままでしかいられないという生き方が提唱される。不思議なことに、あるいは当然のこととしてそうなるのだろうか、その生き方は問題のあまりの多さにもかかわらず、ほかのどこでも見つけることのできない人々の顔つきの良さと、深い安心と、思いもかけない豊かさとを生み出している。


悩む力
斉藤 道雄

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by abcde354 | 2007-01-02 18:25 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『「べてるの家」から吹く風』 向谷地 生良

「べてる」本、第3弾。
「べてるの家」創設者といっても過言ではない向谷地PSWの雑記集。
べてるでのエピソードだけでなく、
べてる外でのエピソードやPSWとしての信条も記述されている。
向谷地PSWの人間的深さと洞察力に感嘆せずにはいられない。

向谷地PSWの信条は、「安心して絶望できる援助」。
向谷地PSWは常識を破って自宅や携帯の電話番号を公開している。
患者さんの自宅への不意の来訪もよくあること。
向谷地家の子供さん達は、患者さん達が世話をし、その中で成長したそうだ。

24時間365日SOSを受け入れてもらえる体制、是々非々で叱ってもらえる安心感。
それこそが、患者さんが「あきらめ」「心を開き」「人と関わり」「気持ちを言葉にする」
ことを可能にしているのではなかろうか、と思わずにいられなかった。


また患者としての発見は、以下3点にまとめられる。
①は新たな発見であった。
①自分の行為に対して「悩んでいること」「何とか改善しようとしていること」
 が周囲に伝わっていなければいけない。
 「悩んでいる」ことが周囲に伝わっている時は「脈あり」だそうだ。
②自分一人では回復(改善)できないことを認め、
 専門家や周囲の人を大切にすること。
 専門家や周囲の人たちとともに、自分に向き合い、掘り下げなければいけない。
③「自分の回復は万人の回復につながっている」というつながり意識を常にもつこと。

「べてるの家」から吹く風
向谷地 生良

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by abcde354 | 2006-12-09 11:16 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『降りていく生き方―「べてるの家」が歩む、もうひとつの道』 横川 和夫

「べてる」本、第2弾。
著者は共同通信社会部記者の後、フリージャーナリスト。
教育問題を取材していく中で「べてる」にたどり着き、
川村医師、向谷地PSW、当事者の方々への取材をまとめたとのこと。

本書で自分が最も興味を持ったのは、
統合失調症の爆発(キレル)のメカニズムであった。
以下で簡単にまとめてみたい。

①何故爆発するか。
語るというスキルがなかったから、いじめとか偏見とか依存関係とか、ネガティブな習慣をこころのゴミ箱にずっとためこんでいて、それがエネルギーとなって、なにかの認知障害によって爆発に作用していたんだということです。そして爆発すると、自分も傷ついて、後悔して反省するんですけど、引きこもったら対人関係がなくなるから、薬を飲まなくなったりして妄想とかの病状が出てきます。…その病状が出てくると爆発に向かうんです。というのも、このまま一生涯、この苦しい状態が続くのかと考えたら、つらくなるんです。だからつらさから逃れるために、リセット作用が働いてふたたび爆発する。リセット作用ですべてをチャラにする。

②何故爆発が繰り返されるか。
爆発することによって効果があると、からだが知っているから、爆発に依存する。当事者が、爆発に依存するというメカニズムを理解し、自覚し、悪性の爆発ではなく、良性の爆発にきりかえていくことが必要。

③良性の爆発にきりかえるためには
言葉を獲得する、つまり自分の思いや気持ちを話すことが出来るようになると、爆発をおこさなくてもすむようになっていく。

④言葉を獲得するには
安心していられる人間関係、弱さを口にしても誰も足をひっぱらないことが分かって初めて、弱さを口に出来るようになり、言葉を獲得できる。また安心していられる人間関係の中で、自尊心も向上していく。

自分のパニックも基本は同じメカニズムではないかと推測していた。
自分の場合は、マイノリティでありコミュニケーションの障害もあるため、
共感をえられにくく、人間関係を構築しにくい。
安心していられる人間関係が構築しにくいため、言葉が獲得できない。
言葉が獲得できないため悪性の爆発しか方法がない。

良性の爆発にきりかえるため、何をすべきか、
自分自身を見つめなおし、考えてみる必要がありそうだ。

降りていく生き方―「べてるの家」が歩む、もうひとつの道
横川 和夫

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by abcde354 | 2006-11-15 00:24 | 読書 | Trackback | Comments(2)

『べてるの家の「非」援助論』 浦河べてるの家 (2)

「べてるの家」の成功を学びたく、手に取った。
(2)では、この本を読んでアスペルガー当事者として役立った部分を書きたい。

①精神障害は「関係性の障害」である。
精神障害は、人間関係によって引き起こされたものである。

②精神障害は「緩和装置」である。
精神障害は、無理をしたりストレスにさらされると再発する。
精神障害は、関係の危機を乗り切るための緩和装置として作用する。

③精神障害にとって重要なのは「言葉の獲得」である。
自分の病気を語ることによって病気が見えてきて、その豊かさも見えてくる。
大事な場面に大事な思いをきちんと出せるようなコミュニケーションを知ることで、
病気と上手く付き合えるようになっていく。
言葉を獲得するには「場数」を踏み「慣れる」ことが必要。


発達障害者が2次障害を併発しやすいのは①②から容易に想像できる。
発達障害者が定型と関係を構築するのは異文化交流であり大変難しい。

また、発達障害においても「言葉の獲得」は重要な問題と考える。
特にパニックを抑える、周囲との軋轢を減らす、ために必要不可欠なことだ。
発達障害の場合は、場数を踏み慣れることに加え、
適切なコミュニケーション方法を学び暗記することが必要だろう。

べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)
浦河べてるの家

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by abcde354 | 2006-11-12 17:03 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『べてるの家の「非」援助論』 浦河べてるの家 (1)

「べてるの家」の成功要因を学びたく、手に取った。
(1)では「べてるの家」の外的成功要因について記述したい。

外的成功要因は3つの悪条件にあったことが察せられた。
1点目は、地域で精神障害者は日常的に迷惑な存在であり、
「理解を求める」ことは最初から諦めなければいけなかったこと。
差別・偏見は当然というコンセンサスが当事者間で出来ていたからこそ、
1袋3円という儲けにならない昆布の袋詰め作業が5年も続き、
地域を誉め続けるという戦略も生まれたのだろう。

2点目は、地域経済全体が衰退していたこと。
それは、日高昆布の産地直送販売に対して漁協の協力を取り付けたエピソードに現れている。
当時漁協は日高昆布消費量の頭打ちに悩んでいた。
販路拡大へ手段を選べる状況ではなかったため、
障害の有無に関係なく協力が得られた。

3点目は、精神障害者の集まりであったということ。
日高昆布の出張販売日、販売担当早坂さんは非常に状態が悪かったという。
しかし、日高昆布は完売した。
何故なら、ボランティアの奥様達が
「早坂さんは体調悪いのに売りに来ている、買ってあげて」
と言って売ってくれたから。
障害者の集まりであることが"売り"になったのだ。

①障害に対する「差別・偏見」は当然という認識を持ち、
障害に対する理解を求めないこと。
②差別・偏見が当然だからこそ、
"誰もやりたがらない"が"必要"なものをキャッチして
積極的に事業化していくこと。
③障害というハンデを"売り"にする方策を考えること。
重要な示唆を頂いた。

べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)
浦河べてるの家

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by abcde354 | 2006-11-12 15:03 | 読書 | Trackback | Comments(0)

相手を褒め続ける~「浦河べてるの家」に学ぶ

精神障害者福祉施設「浦河べてるの家」の記事を見ていて感銘を受けた。
地域との関係づくりに関する以下の文章だ。
「べてるの家」は、町や地域を褒めることを忘れなかった。「これは大事なことです。私たちは偏見や差別にあったとしても声高に糾弾するのではなく、逆にグッと自分たちを抑えながら、“この町はいい町だよ。住んでる人たちはぼくたちが何度失敗しても辛抱してくれている”と褒めてきたんです。悪口を言わないことを大事にしてきた。これは作戦としてね。」

以前「べてるの家」の記事に「偏見・差別、大歓迎!」という見出しがあり驚いたが、
そういうことだったのか、という感じだ。
「相手を褒め続ける」こと、非定型が定型に受け入れられるためにも有用な技術だろう。

全文はこちら。
障害者問題を考える~精神病でまちおこし 浦河べてるの家

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by abcde354 | 2006-11-03 18:56 | 社会適応 | Trackback | Comments(2)


成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
S M T W T F S
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