アスペルガー社会人のBlog

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『ヒルビリー・エレジー』 J.D.ヴァンス

トランプ大統領の支持層である「白人労働者層」を理解する上で有益な本、
と池上彰氏が紹介しているのを聞き読み始めたのだが、衝撃を受けた。
アメリカでさえ、一つの階層から違う階層に移動することが如何に難しいか、
が書かれていたからだ。

著者は白人労働者層(ヒルビリー)の子供に生まれながら
イエール大学ロースクールを卒業して弁護士になった人物で、
本書は著者の自伝的書物である。

前半では、高校までのヒルビリーとしての生活が丁寧に描かれる。
ドラッグ、離婚、失業が当たり前の世界、それらに伴う希望無き生活。
将来への不安はドラッグや失業を益々悪化させ、悪循環となる。

後半は、海兵隊生活を経て、大学、ロースクールでの華やかな生活、
そして上流階級のヒルビリーとの文化的差異に伴う葛藤が描かれる。
ディナーに9本ものフォークとスプーンが並んでいて使い方が分からなかったこと、
スパークリングウォーターとは炭酸水なこと、
面接にはスーツを着ていく必要があること、といった日常の問題から、
幼少期の虐待の後遺症といった深刻な問題まで描かれる。
上流階級の文化になじもうとする著者の血のにじむ努力が伺える。


そして、本書を読んで、自分が何故”ここに”いるのかを理解出来た気がした。

公営住宅(即ち生活保護受給者世帯)密集地域に自分は生まれている。
自分は公営住宅には住んでいないが、
所得レベルはほぼ同等だったと後に聞いた。

公立幼稚園も公立小学校も公営住宅に住む友達が多く、
心優しい友達達に助けられることが多かった。

が、勉強が出来たため中学受験を勧められ、私立の進学校に合格する。
そこは親の職業が医者か弁護士が8割を占める、超上流階級の学校だった。
何の準備もなく入ってしまった自分はその文化に馴染めず、中高の6年間を送る。
当然成績も下降傾向で、真ん中位の成績を取れれば良い方だった。

そして、大学受験では東京大学に落ち、
現役で私立の滑り止めの大学に入った。
正直東京大学に入れなければ落ちこぼれな高校だったが、
当時の自分には関係なかった。
何故か?ここに文化的差異による諦めが存在したのだと思う。
上流階級の同級生は、一浪して再度東京大学を受けていた。
一方、上流階級ではない同級生は、現役で滑り止めの大学に入っていた。
「上流階級だからと言って東大に入れるわけではない、
しかし上流階級でなければ東大には入れない」
という見えない壁があったように思う。

入った大学では勉強せずとも大体の科目でAを取れた。
自分には易しすぎたのだろう。
一方で、数学や理科を勉強してきていない私立文系の同級生が
「自分は頭が良い」と勘違いして大きな顔をしていた。
高校で東大模試一桁取るような人を見てきた自分にとって、
私立文系の同級生など馬鹿以外の何でもなかった。
しかし今になってみれば、それがその大学の「文化」で、
自分は相変わらず馴染めなかったのだと思う。

ただ、努力せずともAを取れる環境だったことが、就職活動で災いする。
大学で頑張ったことを何もアピールできない状態になってしまったのだ。

当然就職活動では失敗して、名もなき会社に拾われることになる。
そこは、公立小学校での中位レベルの子が集まる会社といえよう。
大学の失敗を踏まえ、「文化の違い」があることは予想していたが、
文化の違いは想像以上にキツかった。
中学から大学までの10年間で、
馴染めないながらも身についてしまっていたものがあった。
そして中位レベルの子達は、勉強が生活の中心だった自分とは異なり、
世の中を上手く渡る対人関係術を身につけていた。
対人関係術が圧倒的に足りない自分は、落ちこぼれ社員となってしまった。

それでもこの会社で勤め続けられているのは、
社が出身の幼稚園、小学校と似た文化だからではないかと思う。
最近知ったのだが、社内に、幼稚園のクラスメイトがいた。
最初の文化的階層に戻ったのだ。


本書を読んで、
アスペルガーの環境適応には「文化的階層」という側面も
考える必要があるとわかった。
子供さんが今いる「文化的階層」、
そしてこれから入ろうとする学校の「文化的階層」
をよく見て、新環境への準備してあげると良いのではないかと思う。


ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち
J.D.ヴァンス 関根 光宏

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by abcde354 | 2017-09-18 10:07 | 読書 | Trackback | Comments(3)

定型と同じことをしていても、アスペルガーは人並み以下になるだけ

今日は社内の委員会主催飲み会があったが、行かなかった。
廊下で上役に来ないのかと聞かれたが、行かないと答えた。

定型と同じことをしていてもアスペルガーは人並み以下になるだけ、と思っている。
定型は飲み会で交流を深めるのだろうが、
自分には飲み会で相手に好印象を与えられるだけのスキルはまだない。
そうであるならば、下手に任意参加な飲み会に参加するのではなく、
その時間をスキルアップに充てたほうが良いのではないかと思っている。


実は、最近、話したこともない他部署の部長が飲み会を開いてくれた。
8月から9月にかけて行った他部署支援作業の御礼をしたいということだった。
親しくもない事業部長も駆けつけてくれて、非常に助かったと言ってくれた。

では、その支援作業で何故役立てたかと考えてみると、
業後に飲みに行かず、マクドナルドで勉強していたからだ。
ちょうど勉強していた技術スキルが支援作業で役立ったのだ。
こういうやり方がアスペルガー的なお役立ち方法ではないかと思っている。


2009年1月19日の当Blog『30歳からの成長戦略』 から引用させて頂いたが、
実力相応にしか人脈は出来ない、まさにそうだと最近痛感している。
アスペルガーは定型が出来ない分野で底力をつけ、
ワンチャンスを確実にものにして認めてもらうことが社会適応の道のように思う。
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by abcde354 | 2015-12-09 21:44 | 社会適応 | Trackback | Comments(4)

『聞くだけで自律神経が整うCDブック』 小林弘幸

聞くだけで自律神経が整うというCDが入った本。
1,296円で自律神経が整うのであれば安いものだと思い買ってみた。

本自体は薄く、ほぼCDの効用が書いてあるだけの印象。
CDはオリジナル曲が9曲入っている。
一通り聴いてみたが、明るめで耳障りの良い曲が多い。

Amazonレビューを見る限り
CDの効用があるのかは人により差が大きいようだが、
鬱や不安障害といったアスペルガーの2次障害も
自律神経の乱れに関わるので
アスペルガー者も試してみる価値はありそうに思った。

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by abcde354 | 2015-08-01 01:32 | 読書 | Trackback | Comments(0)

『これが正解! ひとり暮らしスタートブック』 主婦の友社

アスペルガーの自立を考える上で役立つのではないかと教えて頂き、読んでみた。
こういうことが出来ることが自立への第一歩なのかと思い、非常に参考になった。

本書の構成は下記のようになっている。
1章:始めるまで(一人暮らしを始めるまで)
2章:インテリア
3章:掃除と収納
4章:洗濯
5章:料理
6章:節約
7章:トラブル
8章:冠婚葬祭

簡単にまとめてしまうと、
清潔さが保てる程度の掃除・洗濯、健康を維持できる程度の料理が出来て、
多少の貯金が出来る位のお金に余裕が持てて、
近所とトラブルにならない程度のお付き合いが出来て、
イベント時に浮かない振る舞いが出来れば
自立への第一歩といえるのだろうと理解した。

目標が出来ればあとは努力するのみなので、
今年は自立に向けたチャレンジをしたいと強く思った。

明けて2015年、今年もよろしくお願いいたします。

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by abcde354 | 2015-01-01 22:57 | 読書 | Trackback | Comments(2)

パレートの法則

1か月ぶりの投稿となってしまった。

パレートの法則に関する本を読んでいて、あ!と思った。

2割の行動が8割の結果をもたらすのであれば、
アスペルガーにとってもそれは同じはず。
即ち、社会的不適切な行動のうちの2割を改められれば、
8割方社会から受け入れられるということではないか?と思い至ったのだ。

ただ、その真っ先に改めるべき2割とは何なのか、
というところで行き詰まっている。
2割というのは時と場所、状況によって変わってくるのだろうか?


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by abcde354 | 2014-11-09 23:39 | 社会適応 | Trackback | Comments(1)

『テトラポッドに札束を』 和佐 大輔

「社会は積極的に弱者を守ろうとはしない」という趣旨で始まる本書。
「12歳に事故で首から下が麻痺する身体障害者となった著者が
17歳で1億稼いだことから見えてきたもの」
といった感じに要約できるだろうか。

一部違和感を感じる部分があったものの
全体としては同じ障害者として大いに共感出来たし、
アスペルガーの選択肢として
著者のような生き方を目指すのもアリではないか、
と感じさせる書物だった。

なお、本書は3部構成となっている。
1、2章は著者の過去。
・12歳で身体障害者となり、治療で中学もほぼ通えなかったこと
・重度障害の為に就職不可能、実家の経営も傾き世話にもなれない状況
・その中でインターネットを使ったビジネスを始めて月収1000万円に到達

3、4、5章は著者のビジネス経験から見えたもの。
・人すらコモディティ化し、買い叩かれている現実
・一方で自分をデザインして高付加価値化出来れば、自由を獲得できる
・自分だけが想像出来るものを作り上げる生き方が必要

6章は具体的な稼ぎ方。
・自分をキャラクター化する
・コンセプトとストーリーを決める
・仲間を巻き込む

2時間かからず読めたので、最初から通読されてみると良いと思う。

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by abcde354 | 2014-05-05 22:07 | 読書 | Trackback | Comments(1)

『働く君に贈る25の言葉』 佐々木常夫

このBlogで何度も取り上げている、
自閉症の長男を抱えながら東レの取締役まで務められた
佐々木常夫さんの著作。
3度図書館で借りて読み返して、とうとう買ってしまった。

正直、社会人になる前に出会っておきたかった本だ。
社会人になったばかりへの甥への手紙という形で
仕事への向き合い方、仕事をする上での心構えが書かれている。

勿論、この本は佐々木さんの意見であり、
全て鵜呑みにしてよいという事ではない。
「自分を偽らず、素のままに生きなさい」という一節があるが、
では自分はアスペルガーとわざわざ公言した方が良いかとなると
話は別といえるだろう。

それでも、この本から学べることは多い。
「プアなイノベーションより優れたイミテーションを」
「よい習慣は、才能を超える」
「事の軽重を知る。それが、タイムマネジメントの本質だ」
「書くと覚える、覚えると使う、使うと身に付く」
「リーダーとは、周りの人を元気にする人」
「運命を引き受けなさい、それが生きるということです」
心に響く言葉が続く。

その中でも、最も心に響いた文章をMore以下に引用してみたい。
「強くなければ仕事は出来ない。優しくなければ幸せにはなれない」
という題目の中の一節だ。
少々長いが読んでみて頂けたら嬉しい。

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by abcde354 | 2013-11-09 22:10 | 読書 | Trackback | Comments(6)

敏感すぎるココロとどう向き合うか

城山三郎『落日燃ゆ』をようやく読み終わった。

本の内容は広田弘毅の伝記である。
ご承知のとおり、広田弘毅は戦前に首相・外相を務めた人物だ。
外交官して戦争防止に努めたにも関わらず
外相在任中に日中戦争が勃発し、
最後はA級戦犯として絞首刑に処せられた。

本書は大学入試の面接で好きな本として取り上げる位好きで
高校時代に何度も読んでいた。
しかし、久々に読んだ今回は読了までに時間を要してしまった。
軍部に翻弄された広田弘毅の無念さが伝わってきて辛くなり、
読み進めるのを何度も中断せざるを得なかったのだ。
高校時代は恐らく第三者的に史実を追っていただけなのに対し、
今回は主人公に感情移入してしまったというところだろう。

感情移入出来るようになったのはアスペルガー的に進歩かもしれないが、
伝記すら読み進められなくなってしまうという
敏感すぎるココロとの向き合い方を考え込んでしまった。
ここの所ビジネス書ばかり読んでいて小説と向き合っていなかったので
ココロが鍛えられず敏感になってしまっているのだろうか。
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by abcde354 | 2013-10-13 03:52 | 自己分析 | Trackback | Comments(4)

自分が実力をつけなければ誰も助けられない

偶然映画「シンドラーのリスト」のあらすじを読んでいて今更ながら気づいた。
自分が実力をつけなければ誰も助けられないのだと。

シンドラーは実業家として成功したからこそ、ユダヤ人を助けられた。
賄賂も渡すことが出来たし、ユダヤ人をかくまうこともできた。

神田昌典氏の『仕事のヒント』にも
「器(エゴ)をつくり、水(ソウル)を満たすことで、
はじめて人に与えることができる。」
とありひっかかっていたが、
人に与えるには実力が必要ということだろう。

まずは自分が実力をつけることに注力しよう。
実力をつけなければ、誰も助けることは出来ないのだから。
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by abcde354 | 2013-04-15 00:05 | 社会適応 | Trackback | Comments(8)

『人生で一番大切なのに誰も教えてくれなかった 信頼関係の作り方』 朝倉千恵子

信頼関係とは何なのだろうと思って手に取った本。

信頼関係の基礎は
1.接触回数の多さ
2.人によって態度を変えないこと
3.行動や発言に対する一貫性
であると書かれている。

そしてブレない信念を自分の中に作り上げることが
信頼関係につながることが合わせて書かれている。

前の上司を見ていると、1~3を全て満たしている。
誰に対しても声掛けをよくしているし、
来るもの拒まずで人によって態度が変わらないし、
嫌いな食べ物は嫌いだとはっきり言い迎合しない。

一方今の上司は態度の一貫性がないから信頼できないのだろう。

上記3つに加え、前にコメント頂いた
「共感」や「目標共有」といった合わせ技が出来れば
ある程度の信頼関係は築けるのかもしれない。

一つずつ出来るようにしていきたいと思う。

【CD付】人生で一番大切なのに誰も教えてくれなかった 信頼関係の作り方
朝倉千恵子

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フォレスト出版 2010-10-22
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by abcde354 | 2013-04-05 00:04 | 読書 | Trackback | Comments(4)


成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。
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