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敏感すぎるココロとどう向き合うか

城山三郎『落日燃ゆ』をようやく読み終わった。

本の内容は広田弘毅の伝記である。
ご承知のとおり、広田弘毅は戦前に首相・外相を務めた人物だ。
外交官して戦争防止に努めたにも関わらず
外相在任中に日中戦争が勃発し、
最後はA級戦犯として絞首刑に処せられた。

本書は大学入試の面接で好きな本として取り上げる位好きで
高校時代に何度も読んでいた。
しかし、久々に読んだ今回は読了までに時間を要してしまった。
軍部に翻弄された広田弘毅の無念さが伝わってきて辛くなり、
読み進めるのを何度も中断せざるを得なかったのだ。
高校時代は恐らく第三者的に史実を追っていただけなのに対し、
今回は主人公に感情移入してしまったというところだろう。

感情移入出来るようになったのはアスペルガー的に進歩かもしれないが、
伝記すら読み進められなくなってしまうという
敏感すぎるココロとの向き合い方を考え込んでしまった。
ここの所ビジネス書ばかり読んでいて小説と向き合っていなかったので
ココロが鍛えられず敏感になってしまっているのだろうか。
Commented by ROMから一言 at 2013-10-19 13:04 x
しばらく小説から遠ざかっていたから……というのも多少はあるでしょうが、ブログ主さんの場合はやはり、感情の認知・記憶をするべく割り当てられている”メモリ”が、定型多数派に比べると容量不足である事が大きいのではないかと思います。

定型だと、共同注視が発達する生後12ヶ月前後で、既に他者の感情を何となく実感できており、以後の十数年〜二十数年で、自他の感情と上手に付き合っていく術を身に付けていくものなんですが(時には、感情の波に攫われて一時的に何も手に付かなくなる事はありますけど)。ブログ主さんが、他者にもその人自身の感情がある、と”実感”したのは(単なる知識としてではなく)いつでしたか?ひょっとしたら、ASの診断を受けた後だったかもしれませんね。

定型多数派より、感情の実感が遅延してしまったのも、感情の割当メモリが容量不足気味なのも、特性として致し方なかった事。主人公に感情移入して辛くなったら「あ、容量オーバーだな」と一時中断するのも、ブログ主さん流の「感情と上手に付き合っていく術」だと思います。定型でも十数年〜二十数年かかる事なので、”焦らず無理せず諦めず”の長期戦の構えが必要なんじゃないでしょうか?
Commented by アスペっ子の父 at 2013-10-21 22:22 x
私も大学1年生の時、落日燃ゆを読みました。当時は若者特有の正義感だけで読んで、「俺も将来広田弘毅みたいに激動の人生を生きたい。正義を実現する人になりたい。」などと青臭く思ってました。いわば、一種のヒーローとしてとらえ、その辛さ、無念さなんて全く気に留めなかったと記憶してます。でも、今読むと全く違う感想を持つのかも知れません。

私は子供を持ってからというもの、子供や家庭の悲しみ、苦しみと小さな幸せにとても敏感になりました。推理小説やテレビドラマでも、家族に問題がおこるとか、そういったものは、もうほんの少しでも駄目で、テレビも最近見なくなってます。

私と同様、大学、社会人で経験された色々なことが、とうふさんの思考に影響を与え、感じ方が変化したということはないでしょうか?
Commented by ゆったりのんびり at 2013-10-28 21:47 x
私は広田弘毅の生き様に涙しました。
最後まで読めなかった本は2冊あります。いちご白書と豊穣の海です。

思うに、本を読んで感情移入できるまで感覚が定型に近づいてきたのではないでしょうか。
そうなら良いことだと思うのですが、いかがでしょうか?
Commented by abcde354 at 2013-11-02 16:00
三者三様の感想をどうもありがとうございます。どなたのご感想も当てはまるのかなと感じておりました。まだ考えがまとまっておりませんが、まとまってきましたらまた記事にしたいと思います。
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by abcde354 | 2013-10-13 03:52 | 自己分析 | Comments(4)

成人アスペルガー症候群当事者とうふ(2006年確定診断済)が綴る、アスペルガー的社会人生活。


by abcde354